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昨日が最終回だったドラマ『ナイルパーチの女子会』。はからずも号泣してしまいました。原作の小説は未読なので、ぜひとも読んでみたいと思います。(以下、ややネタバレが含まれます。)
主人公の栄利子は他人の心がわからず、人と距離感を取るのが絶望的に下手なため、ストーカー行為&パワハラ行為全開で、せっかくできた友達を精神的に追い込んでいきます。悲劇なのは、それが本人にとっては意図的ではなく、無自覚に自然に普通に出てしまう行為であるところ。一方、その友達の翔子もまた他人軸満載のコンプレックスの塊であったり、栄利子の高校時代の友達も、栄利子の母親も、栄利子の会社の後輩も、出てくる人みんなが、それぞれに課題を抱えて日々を生きています。その、みんなが抱えている課題には共感の嵐でした。
物語のほとんどはホラーなのではと思わせるしんどい描写が続きますが、最後のシーンは素晴らしかったの一言に尽きます。栄利子、がんばれ!がんばれ栄利子!と祈りを込めて見守り、見終わった時には、栄利子だけじゃなく登場人物のみんなに対し、がんばれ、大丈夫だ、がんばれ人間!人間がんばれ!という思いが込み上げてきて、しばらく泣いておりました。何故だか、人間全員を応援したくなる最後でした。
誰もが特別じゃないし、誰もが特別である。
そんな矛盾する思いが浮き上がってくる特別じゃない特別な物語でした。親友が欲しかった栄利子。それに超絶失敗し続ける栄利子。人を傷つけ、自分も傷つき、周りもたくさん巻き込んでみんながボロボロになった先に、栄利子は小さくも、とても重要な気づきを得ます。そして、ついに一歩を踏み出すことができるのでした。
人が決意する瞬間がこんなにも美しく、
人が変化する瞬間がこんなにも感動的なものなのか、
と圧倒されたドラマでした。終わってしまって寂しいです。あと、映像がとてもキレイでした。映画のようで。